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成果報告その他の報告

研究ハイライト

成果報告

K型超巨星 IRAS 22480+6002 の距離を精密に測定

画像 鹿児島大学の今井裕氏を中心とした研究グループと、国立天文台のVERAグループが行った観測により、K型超巨星 IRAS 22480+6002 の距離を精密に測ることに成功しました。

今回の測定結果から、IRAS 22480+6002 の年周視差は 0.400±0.025 masであり、地球からの距離は約2.50kpc(=8150光年)と算出されました。
その明るさも太陽の約35000倍と求まり、IRAS 22480+6002 は、これまで考えられていたおうし座RV型変光星ではなく、K型超巨星であることが示唆されます。

また、IRAS 22480+6002 の水メーザー源の運動は、星の周りのガスが内側から膨張する動きと、この星が銀河系を回転する動きが合わさったものと考えられます。
そのため、ガスの膨張運動を差し引くことで、IRAS 22480+6002 の固有運動を導くことができ、それが銀河系のペルセウス腕にある水メーザー源で典型的な値とおよそ一致することもわかりました。

fig.1
図1:IRAS 22480+6002 の水メーザー分布。矢印はそれぞれのメーザーの動きを示す。矢印の始点はメーザーが検知された位置、長さと方向はメーザーの速度と運動方向を表している。

fig.2
図2:観測された水メーザーの位置変化。グラフの十字が測定値、実線は固有運動を含む年周視差のモデルを示す。


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