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成果報告その他の報告

研究ハイライト

成果報告

“宇宙の噴水”IRAS 18286-0959 の距離を決定

鹿児島大学の今井裕氏を中心とした研究グループと、国立天文台のVERAグループが行った観測により、IRAS 18286-0959 の距離を精密に測ることに成功しました。

今回の観測結果から、IRAS 18286-0959 の年周視差は 0.277±0.041 masで、地球からの距離は約3.61kpc(=11770光年)と算出されました。

“宇宙の噴水”といわれる IRAS 18286-0959 は、星の進化の最終段階であるAGB星(赤色巨星)から惑星状星雲へ進化する途中と思われる天体です。数が少なくめずらしいため、距離を決めて物理量を調べることが重要です。

今回の観測では、距離が正確に決まったことに加え、水メーザーが双極流として“噴水”のように放出される姿が捉えられており、今後このような種族の天体を研究する上で重要なモデルケースとなることが期待されます。

fig.1
図1:IRAS 18286-0959 の水メーザー分布。矢印はそれぞれのメーザーの動きを示す。矢印の始点はメーザーが検知された位置、長さと方向はメーザーの速度と運動方向を表している。

fig.2
図2:観測された水メーザーの位置変化。グラフの十字が測定値、実線は固有運動を含む年周視差のモデルを示す。


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