VERAトップページへ  
ここから本文

成果報告その他の報告

研究ハイライト

成果報告

PKS 1510-089 のガンマ線フレアに伴う電波増光を検出

画像 イタリアの電波天文研究所と、日本のVERA関係者を含む国際チームは、ブレーザー PKS 1510-089 の多波長観測を行い、ガンマ線フレアに付随すると思われる電波フレアの検出に成功しました。

ブレーザーは活動銀河中心核(AGN)の中でも活動性が高い天体で、光速度に近いジェットがほぼ我々に向かう方向に放射されていると考えられています。
国際チームは PKS 1510-089 の電波とガンマ線による観測を、2010年11月から2012年1月にかけて行いました。

観測期間中の2011年7月と同年10月に2つの大きなガンマ線フレアがフェルミ衛星により検知され(図1)、2回目のフレアに伴って電波が増光する様子も捉えることができました(図2)。
電波とガンマ線のフレアの時間差を解析した結果、ガンマ線放射領域が銀河中心核から 2〜3pc(約6.5〜10光年)ほど離れている可能性が示唆されました。

fig.1
図1:PKS 1510-089 をガンマ線望遠鏡のフェルミLATで検知した光量変化を示すグラフ。横軸の時間は、2010年11月1日(MJD 55501)〜2012年1月31日(MJD 55957)。

fig.3
図3:VLBAによって得られた PKS 1510-089 の電波画像(2011年8月26日)。

fig.2
図2:様々な電波周波数帯での観測データを、時間(横軸)を合わせて縦に並べたグラフ。22/23Ghz(ピンク色の部分)がVERAで観測したもの。縦に貫く2本の点線が、ガンマ線フレアが発生したタイミングを示す。


関連論文



ここからフッター