研究ハイライト
成果報告
東アジアVLBI、最初の成果!
山口大学の藤沢健太氏を中心とした研究チームは、VERAを含む東アジアVLBI(日中)のネットワークを用いて、星形成領域にあるメタノールメーザー源のイメージング(電波撮像)に成功しました。
東アジアVLBIは、日本、中国、韓国のそれぞれのVLBIネットワークが連携して、より強力な電波観測を推進するプロジェクトです。
今回の観測に参加したのは、日本から水沢・小笠原・入来・石垣島のVERA4局と、日立・臼田・山口を加えた計7局。中国からは上海の25m電波望遠鏡が参加しました。(図1)
研究チームは今回の観測対象として適した36天体を選び、2010年8月〜2011年11月にかけて、メタノールメーザーによるモニター観測を行いました。そして、各天体のイメージングに成功しました。(図2)
この結果、東アジアVLBIによって効果的なイメージングが可能であることを確認できました。
これらのイメージから、大質量星がどのように誕生するのか明らかになると期待されます。
今後は更なるモニター観測によって天体の運動を測る予定です。また、韓国や中国のその他の望遠鏡が参加することによる性能向上も期待されます。
図1:観測に参加した望遠鏡。
●はVERAのアンテナ、●はVERA以外の日本(大学連携VLBI)のアンテナ、●は中国(上海)のアンテナを示す。
図2:観測天体のスペクトル線(左)とイメージング(右)
※1AUは約1億5000万km(地球と太陽の平均距離)
関連論文
- K. Fujisawa, 2014, PASJ, 66, 31, Observations of 6.7 GHz methanol masers with East-Asian VLBI Network. I. VLBI images of the first epoch of observations