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成果報告

日韓合同VLBI観測網KaVAによりVLBIで初めて44GHzメタノールメーザーを検出

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国立天文台のVERAと韓国VLBIネットワーク(KVN)が連携した観測網KaVA(KVN and VERA Array)は、VLBIで初めて44GHzメタノールメーザーの検出と電波撮像に成功しました。

日韓合同VLBI観測網KaVAは、2008年11月に初フリンジを検出し、様々な準備を経て 2012年から本格的な運用が始まったプロジェクトです。

今回観測した天体は、大質量星形成領域 IRAS 18151-1208 で、太陽の10倍程度の星が生まれている領域です。
この観測にKVNが加わったことで、 650km 以下の基線で44GHzメタノールメーザーのフリンジを初めて検出することができ、その電波撮像に成功したのも世界で初めてです。

また、最も小さいメーザースポットの大きさは 5ミリ秒角×2ミリ秒角でした。これは距離に換算すると15AU×6AU(1AU=約1億5000万km:地球と太陽の平均距離)になります。
そして、輝度温度が3.5×108〜1.0×1010K であることもわかりました。この輝度温度は当初推測されていたよりも高く、メタノールメーザーの放射メカニズムに新たな知見をもたらすものです。

これらの成果によって、今後、大質量星を研究する上で44GHzメタノールメーザーが新たなツールになることが期待されます。
また、将来はKaVAを用いた位置天文観測などが可能になることも考えられます。

fig.1
図1:撮像に成功した IRAS 18151-1208 の電波写真。
左上(a)図の4枚は左下(c)図の1の領域を、右側(b)図の4枚は(c)図の2と3の領域を示す。


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