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10年ぶりに再会したら

10年ぶりに再会したら

マダム

お久しぶりです。山内さんが大学院生として野辺山宇宙電波観測所(以下、野辺山)にいたとき以来、10年ぶりなんですけれども、あのときの学生さんが立派な研究者になって、奥様になって、お母さんになって。10年のあいだの出来事をサーッと教えてもらえますか。

ママさん研究者の華麗なる紆余曲折?!

連載回数: 
10
対談者: 
Yamauchi, A.

予測不能なライフステージの変化をチャンスに変えてきた山内さんのしなやかな生き方に注目です。

オマケ

オマケ

山内

学生時代は小説を書いていました。いまは長編を書く時間がとれないので、たまに短歌を作っています。去年南の島の星まつりで賞をいただきました。

マダム

すごーい!

山内

俵万智さんの選評が入った賞状をいただきました。

マダム

お名前が、寺家彩さんになっている。

山内

本名です(笑)。仕事は旧姓を使っています。

考古学か天文学か、究極の選択

考古学か天文学か、究極の選択

マダム

VERA様様という人生のきっかけ、山内さんが天文学に興味を持ったのはいつですか?

山内

中学生の頃、NHKスペシャルで「銀河宇宙オデッセイ」いう番組がありまして、ビデオを全巻買ってもらったほど好きでした。でも、じつをいうと考古学も好きだったんです。地元が福岡市なので、となりの(当時)糸島郡(現:糸島市)に伊都歴史資料館(現:伊都国歴史博物館)へ八咫鏡(やたのかがみ)を見に行ったりしていて。

マダム

古墳とかもお好きで。

距離感覚のちがいが宇宙スケール

距離感覚のちがいが宇宙スケール

マダム

距離を測るという点は共通していますが、いままで遠いところやってた身としてはいかがですか?近っ!みたいに感じませんか?

山内

距離感覚が全然わからなかったです。ふだんですね、天体までの距離が皆さんキロパーセクとかで話をなさるんですけど、私、メガパーセクだったんですよ。近いとか遠いとかの感覚が全然わかりませんでした。

研究ジャンルを変えた?!

研究ジャンルを変えた?!

山内

じつはいまVERAに来てからは、野辺山にいたころにやっていた「元の専門」とちがうことをやっているんです。

マダム

研究ジャンルを変えたんですか?!ある意味畑違いの事をやってらっしゃると。

山内

はい。(大きくうなずく)もともと私は、よその銀河の中心の周りを回転している円盤から出てきている水メーザー電波を観測していたんです。

仕事と育児の両立

仕事と育児の両立

マダム

そうやって研究とご家庭を上手に両立していらっしゃるようにお見受けするのですが、山内さんご自身はどう思われていますか?

山内

そうですね。でもやっぱり独身時代に比べると「仕事できる量」というのは減っていると思います。独身のころだったら、本当に忙しい時期は食事や睡眠時間を削っても、とりあえず数日そこを乗り切ればなんとかなるっていう無茶がきいたんですけど…いま、できないんですよね。寝不足だと私、機嫌が悪くなるので。

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