VERA

古い地図を読み解いていると飽きないんですよ。何時間でも見ちゃいます。

たとえばこの絵なんですけど、これが描かれたのは1854年、江戸時代の末ですよ。外国船が津波に流されて座礁している絵なんだけれど、このアサヒグラフの写真と比べてみて下さい。

パラボラアンテナを上下に振るギアが破損したり、停電もあって復旧するまで約5カ月かかりました。地面もものすごく動いてアンテナが元の位置から3メートルも動いていたんです。観測所全体が東南東に約3メートル移動していました。

はい。今でも続いていて他局とくらべると変動が大きいんです。上下の動きもあって10センチほど沈下して、じわじわ戻ってきています。

地面の潮汐現象に興味を持ったのがきっかけです。私は81年の10月に水沢VLBI観測所の前身である緯度観測所に入ったんです。当時は潮汐を予測するための理論値計算の研究をしていて、潮汐の解析プログラムを作りました。

かれこれ30年も前の話だから恥ずかしいなあ。

天体の位置を精密に決めるには、まずアンテナの位置を正確に決めておく必要があるんです。そのためにアンテナの位置を精密に測っています。

この図は2013年にアンテナの位置を決める観測を行った結果ですが、一番遠い水沢局と石垣島局のアンテナの距離が、2270キロ416メートル91センチと1ミリ。