第13回目の意中の人は
坂井伸行さん

かっこよさに惹かれ天文の道へ

マダム

ところで、研究者を志したきっかけは?

坂井

高3のときに、住んでいた長崎で、アポロ16号の宇宙飛行士のCharles M. Duke, Jr.さんの講演会があって聞きに行ったんです。この方、月面にご家族の写真を置いてきたそうなんです。それで、帰ってきて家族みんなで月を見たときに「あそこに、私たちの写真が見えるかい?」って言ったと。それを聞いたときに「かっこよすぎだろ!」って思って、これはもう天文をやるべきだ!と(笑)。それで、宇宙が学べるところに進路を決めようと思ったのが、最初のきっかけです。

マダム

かっこよさに惹かれて!

坂井

そう。それで調べ始めたら、当時はダークマターがブームだったんですよ。天文の道に進んだいまは「ダークと名がつくものは大抵よくわかってないもの」ってわかったんですけれども...。当時はとにかくダークという言葉や、未知なものにワクワクさせられて、鹿児島大学に行きました。

じつは英語が大嫌いでした

坂井

じつは鹿児島大学って当時、2次試験に英語がなかったんです(笑)。物理と数学の2科目だけ。それで英語が嫌いな学生たちにちょっと有名だったんです。白状すると、僕は英語が大嫌いで(笑)。あまりにも英語が嫌いで、センター試験でも英語は勉強しないと決めて、そのかわり理数系でガッツリ点をとる、という戦略で鹿児島大学へ入りました。

マダム

す...すごい!しかも、いま研究者をしているということは、英語嫌いを克服されたのですね。みんな苦労していると思うので、英語が苦手な中高生たちにぜひアドバイスを。どうやって克服されたのですか?

坂井

この仕事は、論文を読むのも書くのも英語、外国人の研究者ともディスカッションをするので、どうしても英語をやらないといけない。必要にせまられて毎日英語に触れるんですよね。いやでも毎日触れる(笑)。すると、あるとき突然ブレイクスルーというか、理解が早くなったと感じる瞬間がくるんです。だから、僕が言えるとしたら、とにかく毎日英語に触れること、かな(笑)。

坂井 伸行
氏名
坂井 伸行 さかい のぶゆき
出身地
広島県生まれ
紹介

VERAや米国のVLBAを用いて、天の川銀河の3次元地図作りを行っています。銀河の中の渦巻き腕がお気に入りの構造で、腕の起源や進化の謎を解明することが研究テーマです。
趣味は旅先で現地の地図を集めたり、土地ごとの景色・人・言葉・食事・空気に触れることです。

鹿児島大学理学部の2次試験

現在は英語の試験があります(2017年3月時点)。