研究者になろうと意識したのは、いつごろからですか?
小学校3、4年生のころですね。子供のころから本を読むのが好きで、野口英世の伝記を読んで心をひかれました。黄熱病に向かって一生懸命に研究した姿がかっこいいなって。じつは僕、医者になりたかったんですよ。小学校1年生になるまで、体がすごく弱くて病院に入院してばかりいたんです。そういう背景もあって、基礎医学の研究者になりたいと思ったんです。
中学生のときにブルーバックスの「物理のABC」という本を読んで、物理に興味を持ちました。数学はもともと好きだったので、高校生のときは医学か物理かで悩みましたが、最終的に物理を応用するようなことがやりたいと思って、大学は北海道大学の理学部物理学科を選びました。
まだ天文には目覚めていないんですね。
天文に触れたのは、大学受験で地学を勉強したときですね。大学は物理と地学で受験しているんですよ。天文の問題って力学だったりするので、天体の現象を物理で追えるようになると、おもしろいんです。
受験勉強で天文に出会ったんですね。あれっ?物理・地学で受験ってめずらしいのでは?
化学が嫌いだったので(ボソッ)。
あははは。学問から星の世界に入ってきたんですね。
そう。物理の知識を使って、ちがう分野の問題に挑むのが楽しかった。天文少年ではなかったです。東京育ちで、あまり星空を観る機会もなくて、とくに星空にロマンを感じることはなかったんですけれど、勉強して、光の情報から物理に落とし込めるようになって「星ってすごく面白いなあ!」と思ったんですよ。
なるほど!!すごく納得しました。なるべくして研究者の道に入っていったのではという気がします。