今回はオマケ特大号として、ちょっと小難しい望遠鏡の分解能について秋山さんに質問してみました。題して...
望遠鏡の視力に相当する「分解能」をあげるためには、どうすればいいの?
望遠鏡の空間分解能=視力っていうのは、観測波長と、望遠鏡の大きさで決まるんですよね。つまり、分解能を上げるためには2つ方法があるということです。ひとつは望遠鏡を大きくする方法。地球全土でVLBIを行うと、基線長が1万kmくらいになります。
地球の端から端、つまり直径1万kmの合成望遠鏡ですね!
なんと、2013年に公開したVERAに夢中!第1回・本間希樹さんの記事に、当時学生だった秋山さんが指導教官の本間さんからアドバイスを受けている様子がこちらのページに偶然写っていました。
若い!というか太ってる (笑)。いまはもうちょっとスリムになりました(笑)。
その後、東京大学の大学院へ進んで修士2年のときからアメリカのマサチューセッツ工科大学へ毎年3ヶ月間ほど行ってまして、博士3年のときに滞在先から観測所までの片道約10マイル(16km)を通学するために、現地で自転車を買ったんです。
今度は秋山さんの研究成果を教えて欲しいんですが、博士論文でどんな成果を発表したんですか?
まず、これまで技術的、解析テクニック的に困難なため検出できなかった重要な情報をサブミリ波VLBIで初めて取得できたこと、さらに、そのデータから2015年以降、実際にブラックホールの写真がちゃんと撮れると初めて明示したこと。あとは、タンパク質のシミュレーションに使われている方法を取り入れて、天体の絵の復元に成功したことです。その絵の復元技術はブラックホールの写真の復元にも使えるテクニックで、自分で着想して作りました。あと、そうやって復元した絵からも、おもしろいことがいくつかわかったんです。
いくつも成果を出しているんですね。発想の部分も目を引きます。