ふれあい天文学・コートダジュール日本語補習授業校

2020-12-16

 

2020年12月5日(土)に「ふれあい天文学」のリモート授業を行いました(2020年度の「ふれあい天文学」の事情に関しては過去記事参照)。担当したのは南仏・ニース近郊にあるコートダジュール日本語補習授業校さんです。近郊には「はやぶさ2」にも参加している研究者のいるコートダジュール天文台や、同天文台の施設である月レーザ測距用望遠鏡(グラース)などがあり、世界的観光地ながらアカデミックな雰囲気の地域です。過去には欧州地球物理連合(EGS、現在のEGU)の会合が行われた場所でもあります。

今回、私にとっては未経験の連続3校時を頂き、小学校高学年(1時間目)、中学生(1,2時間目)、小学校低学年(3時間目)の皆さんにそれぞれお話ししました。授業は12月5日に実施しました。この日の夕方(日本では12月6日未明)に小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルが地球に帰還することもあり、最初のスライドは当日のカプセル帰還ライブ配信の宣伝です。その後に主要テーマである星の楽しみ方、「はやぶさ2」の科学の話をしました。特に地球の水がどこから来たのかを知りたいので小惑星の研究をしていることを説明しました。先生方は熱心にご準備くださり、生徒さんは事前学習として太陽系の惑星の名前などを日本語で学んでから授業に臨んでくれたそうです。

11月に再開したフランス全土のロックダウンが当日も継続していたため、生徒さんも各自リモート参加になりましたが、対象としていた生徒さんの他にも宇宙が大好きな幼稚園生や卒業生、保護者の方々等、沢山の方が授業に参加してくださり、リモート授業の利点が活きたのではないかと思います。手を挙げ発言をしてくれたり、授業メモを見せてくれたり、お部屋にある望遠鏡や双眼鏡を見せてくれたりと、各自楽しい雰囲気で参加しよう、という気持ちが感じられ、あっという間に3時間が過ぎました。

生徒さんは平日には現地の学校に通い、土曜日に日本語授業校に通って日本語で勉強をしているとのことで、平易な日本語でゆっくり話す事を心掛けたつもりでしたが、さてどうだったでしょうか。先生方には適宜日本語の説明などをしていただいたりしたので、もしかすると慣れない言葉を私が使っていたのかもしれません。また、中学生からは事前質問を日本語で頂いていたのですが、時間が押してしまい質問の時間があまりとれず、授業の中で一部しか答えられなかったのが残念でした。

通信が切れる前に、今度は星を見る会を企画してみたい、というご意見も聞かせていただいて、とても感激しました。世界でも数少ない月レーザ測距望遠鏡が設置されるほど星を見るには条件の良い場所ですので、ぜひ皆さんで星を楽しんでいただきたいと思います。 (野田寛大)

 

写真1,グラース近郊にある月レーザ測距望遠鏡付近の風景

写真1、グラース近郊にある月レーザ測距望遠鏡付近の風景

 

写真2, オンライン授業の様子(小学校低学年) 写真2、オンライン授業の様子(小学校低学年)

 

 

写真3, オンライン授業の様子(中学生)

写真3、オンライン授業の様子(中学生)