今回の観測

 メーザーの画像からガスの運動や物理的な性質に関する情報を得る為には、同じSiO(一酸化珪素)の電波でも異なる波長のメーザーについて同時撮影し、それらを同じフレームに高精度で重ね合わさなければなりません。日本のVERAは、メーザー源の位置を精密に測定できるユニークな装置です。一方VERAとKVNを組み合わせた日韓共同VLBI観測網(KaVA)を用いると、VERAだけでは捉えられない様々な明るさや形状を持ったメーザーの塊状放射(=メーザースポット)を撮影できます。今回、将来の連続撮像を見越して、うお座WX星に見られるSiOメーザーの撮像を実施し、短時間で充分な画質が得られるか、異波長メーザー放射像の合成が可能かを試験しました。

図:日韓共同VLBI観測網 KaVA(KVN and VERA Array)の局配置図。日本のVERAの4局と、韓国のKVNの3局からなる。

図:KaVAの7観測局の写真。左の3局が韓国のKVN、右の4局が日本のVERA。