得られた結果

 うお座WX星の2種類のSiOメーザー放射(振動励起状態 v=1およびv=2、いずれも波長約7 mmの電波)の精密な強度分布が得られ、中心星を取り巻く様にリング状の分布が鮮明に描き出されました(実際は球殻状のガス分布を輪切りしたような形状で光っている)。さらに、これら2種類メーザー放射の分布がとても似ており、お互いにほぼ近接して光っていることも分かりました。この類似した分布は、星の周期的な明るさの変化に伴って少しずつ変化するはずです(星の直径の1/100程度)。今後の観測でそのような変化を追跡できるような性能をKaVAが持っていることを、今回実証することができました。

 

図:KaVAによるうお座WX星のSiO(一酸化ケイ素)の放射の様子。左がv=1の振動励起状態、右がv=2の振動励起状態。両者がほとんど同じ大きさのリング状に分布している。