ブラックホールの画像から一般相対性理論を含む多様な重力理論を初検証

[English]

2019年、イベント・ホライズン・テレスコープ (Event Horizon Telescope, EHT)国際協力プロジェクトのチームは、楕円銀河M87の中心に位置する巨大ブラックホールの最初の画像を発表しました。今回、EHTの研究者たちは、アインシュタインの一般相対性理論を検証するためにEHTの観測で得られたM87巨大ブラックホールのデータを分析しました。検証によると、ブラックホール・シャドウの大きさは、一般相対性理論で見事に説明できます。さらにほかの重力理論で同様に検証したところ、それらの理論でM87のブラックホールを表現する余地も残されていることがわかりました。

ポスター「なにがわかった!?ブラックホール研究の最前線」

(こども向け)
(大人向け)

[大きいサイズのポスター:PDF 113メガバイト]

2019年4月のEHT最初の成果発表から2年、この間にEHTプロジェクトが明らかにしてきたブラックホールの姿をポスターにまとめました。ポスターの中で気になるトピックを見つけたら、ぜひ詳しい記事をご覧ください (成果報告のページ)。

教育関係のみなさまへ

このポスターは自由にご利用いただけます。申請の必要はありません。

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ポスター制作:
田崎文得 / 国立天文台水沢VLBI観測所
2021年4月22日

Japanese
poster small

成果発表!地上・宇宙の望遠鏡が一致団結してM87巨大ブラックホールを一斉観測

EHTによって史上初めて撮影されたブラックホールは、楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールの2017年4月の姿でした。 まさにその時、ブラックホールやそこから噴出するジェットには何が起こっていたのでしょうか? EHTだけではわからないこの謎を解明するために、地球上そして宇宙にある様々な波長の望遠鏡 (電波、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線) がEHT観測に合わせて一斉にM87中心核を観測していました。 望遠鏡の総数はEHTを含めて19台にも及びます。 同時期に様々な波長の電磁波で見たブラックホールとジェットの姿が明らかになったことで、シャドウが撮影された時には極めて「おとなしい」活動状態であったことがわかりました。 また、理論・シミュレーション研究の結果と比較することで、EHTで撮影されたリング構造の領域とは異なる場所からガンマ線が放射がされていることがわかりました。 これは、ジェットの形成メカニズムを解明するための重要な手がかりを与える成果です。

詳しくは以下をご覧ください。

記者発表ページ (日本語)

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