イベント・ホライズン・テレスコープ・プロジェクトがM87ブラックホールごく近傍の磁場の画像化に成功

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ブラックホールの画像を初めて撮影したイベント・ホライズン・テレスコープ (Event Horizon Telescope; EHT) プロジェクトが、楕円銀河 M87 の中心にある巨大ブラックホールのごく近傍で、電波の偏光を捉えることに成功しました。これは、ブラックホールの周りに整列した磁場が存在することを初めて直接的に示す成果です。この観測結果は、5500万光年離れた銀河の中心からどうしてパワフルなジェットを噴出できるのかを説明する鍵となります。

[画像1] M87ブラックホール近傍の偏波画像。白線の向きは偏光の方向と一致し、ブラックホール周辺の磁場の向きと関係している。 画像クレジット:Event Horizon Telescope Collaboration

松下

EHT台湾及びグリーンランド望遠鏡 (GLT) プロジェクト代表。ALMA、GLT、JCMT、SMAという、台湾が関わっているEHT望遠鏡全ての立ち上げに関わり、科学観測を可能にし、これらを使って主に系外銀河の分子ガスやブラックホールの観測を行ってきた。

水野いづみ

ハワイのマウナケア山頂に位置するJCMTでVLBI (EHT, 東アジアVLBI) の観測準備をしている。VLBI観測前には主にバックエンドの動作確認を担当している。また、VLBIで用いる受信機, Nāmakanuiのコミッショニングリーダーである。

中村

高エネルギー天体物理学、特に超大質量ブラックホールへの質量降着と相対論的ジェットが専門。数値シミュレーションと多波長電波観測を用い、浅田、秦らと共にM87ジェットの研究業界を牽引してきた。