中村

高エネルギー天体物理学、特に超大質量ブラックホールへの質量降着と相対論的ジェットが専門。数値シミュレーションと多波長電波観測を用い、浅田、秦らと共にM87ジェットの研究業界を牽引してきた。

水野陽

専門はブラックホールへの降着流やジェットの数値シミュレーション。ブラックホールやジェットに関係する高エネルギー現象に興味がある。EHTの観測を用いた一般相対論の検証研究も行っている。EHTプロジェクトでは理論作業班の世話人を担当。

本間希樹 EHT 日本チーム代表の林忠四郎賞受賞が決定

[English]

 

EHT日本チームの本間希樹代表が、2020年度日本天文学会林忠四郎賞を受賞することが決定しました。林忠四郎賞は、天文学関連の幅広い分野での独創的な学術研究に対して授与される賞です。本間代表がこれまで推進してきた、VERAを用いた世界最高精度の位置天文観測で銀河系構造を明らかにした研究や、EHTによるブラックホール・シャドウの直接撮影への貢献が評価され、受賞に至りました (詳しい受賞理由: 外部ページ)。

ブラックホール研究に携わる3氏が、2020年ノーベル物理学賞受賞!

ブラックホール研究に携わる3氏が、2020年ノーベル物理学賞を受賞しました。

この発表を受け、国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ (EHT)」からのメッセージです。「Roger Penrose、Reinhard Genzel、Andrea Ghez の3氏がノーベル物理学賞を受賞されたことに、EHTプロジェクトからお祝い申し上げます。3氏とその研究チームは、ブラックホールと一般相対性理論の研究の礎となる成果を挙げました。EHTはブラックホール研究をさらに発展させて、人類がより深くブラックホールを理解できることを目指します。今回のノーベル物理学賞の発表を新たなエネルギーに、巨大ブラックホールの謎を解明するために邁進します。」

揺れ動くM87巨大ブラックホールのシャドウ

EHTの研究者たちは2019年に公開した M87 巨大ブラックホールの姿から得た知識を元に、2009年から2013年の間に試験的に観測していたM87のデータを解析しました。 その結果、ブラックホールを取り囲む非対称なリング構造が8年間にわたり定常的に存在する一方で、リングの明るい部分の向きが揺れ動く様子が示唆されました。 これらの成果はブラックホールの姿が時間と共にどのように変化していくかについて新たな知見を示すものです。 本成果は米国のアストロフィジカル・ジャーナルに本日掲載されました。

詳細は以下をご覧ください。

ウェブリリース (日本語): https://www.miz.nao.ac.jp/eht-j/c/pr/pr20200923

揺れ動くM87巨大ブラックホールのシャドウ

2009年から2017年にわたるイベント・ホライズン・テレスコープの観測により、M87の巨大ブラックホールシャドウの揺れ動く姿が明らかになりました。


イベント・ホライズン・テレスコープ・コラボレーションによって人類史上初めて撮影されたブラックホールが2019年に公開され、楕円銀河M87の中心に潜む巨大ブラックホールの姿が明らかになりました。 イベント・ホライズン・テレスコープ (以降EHT) の研究者たちは撮影された姿から得た知識を元に、未発表のものを含む2009年から2013年の間に取得されたM87試験観測データを解析しました。 その結果、ブラックホールを取り囲む非対称なリング構造が8年間にわたり定常的に存在する一方で、その向きが揺れ動く様子が示唆されました。 これらの成果はブラックホールの姿が時間と共にどのように変化していくかについて新たな知見を示すものです。本成果は米国のアストロフィジカル・ジャーナルに本日掲載されました。