天の川銀河中心のブラックホールの撮影に初めて成功

国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、地球規模の電波望遠鏡ネットワークを使って、私たちが住む天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの撮影に初めて成功しました。今回の結果は、この天体が間違いなくブラックホールであることを示す揺るぎない証拠であり、多くの銀河の中心に存在すると考えられている巨大ブラックホールの働きについて貴重な手がかりを与えるものです。

[図1] 史上初の天の川銀河中心のブラックホールの画像。(クレジット:EHT Collaboration)

天の川銀河中心のブラックホールの撮影に初めて成功

国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールの撮影に初めて成功しました。

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     EHT Japan プレスリリース

     国立天文台 プレスリリース

     EHT Collaboration プレスリリース(英語)

 

 

イベント・ホライズン・テレスコープが描き出した最も近い電波銀河の心臓部

[English]

楕円銀河M87のブラックホールの最初の画像を撮影したことで知られる、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)の国際共同研究チームは、電波銀河と呼ばれる大規模ジェットをもつ銀河の中で最も地球に近いケンタウルス座Aの中心部をこれまでにない解像度で撮影しました。研究チームは中心の巨大ブラックホールの位置を正確に特定し、大規模ジェットがどのように生まれているかを明らかにしました。最も注目すべきことは、ジェットのふちの部分だけが電波を放射しているように見えたことで、これはジェットの理論モデルに影響を与えます。本研究はドイツのマックスプランク電波天文学研究所とオランダのラドバウド大学に所属するミヒャエル・ヤンセン氏が率いる研究チームを中心として行われ、2021年7月19日にネイチャー・アストロノミーに掲載されました。

EHTでケンタウルス座Aのジェットの根元が撮影されました

ケンタウルス座Aは、電波銀河と呼ばれる大規模ジェットをもつ銀河の中で最も地球に近い天体です。今回、EHTの研究チームはケンタウルス座Aのジェットの根元をこれまでになく高い解像度で撮影し、巨大ブラックホールの位置を正確に特定し、大規模ジェットがどのように生まれているかを明らかにしました。また、ジェットのふちの部分だけが電波を放射しているように見えることは、ジェットの理論モデルを調べる上で重要です。この研究はドイツのマックスプランク電波天文学研究所とオランダのラドバウド大学に所属するミヒャエル・ヤンセン氏が率いる研究チームを中心として行われ、2021年7月19日にネイチャー・アストロノミーに掲載されました。

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ブラックホールの画像から多様な重力理論を検証した結果を発表しました

ブラックホールは、その強い重力によって周囲の時空をゆがめる究極の天体です。そのためブラックホールのごく近傍を観測することで、強い重力のもとでどのような重力理論が働いているかを検証することができます。 今回、EHTの研究者らは2019年に公開したEHTのM87巨大ブラックホールの画像を使い、一般相対性理論を含む多様な重力理論の検証を行いました。その結果、一般相対性理論が観測データと非常によく一致すること、そのほかの重力理論にも観測されたブラックホールを表現する余地が残っていることがわかりました。

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