イベント・ホライズン・テレスコープが描き出した最も近い電波銀河の心臓部

[English]

楕円銀河M87のブラックホールの最初の画像を撮影したことで知られる、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)の国際共同研究チームは、電波銀河と呼ばれる大規模ジェットをもつ銀河の中で最も地球に近いケンタウルス座Aの中心部をこれまでにない解像度で撮影しました。研究チームは中心の巨大ブラックホールの位置を正確に特定し、大規模ジェットがどのように生まれているかを明らかにしました。最も注目すべきことは、ジェットのふちの部分だけが電波を放射しているように見えたことで、これはジェットの理論モデルに影響を与えます。本研究はドイツのマックスプランク電波天文学研究所とオランダのラドバウド大学に所属するミヒャエル・ヤンセン氏が率いる研究チームを中心として行われ、2021年7月19日にネイチャー・アストロノミーに掲載されました。

ブラックホールの画像から多様な重力理論を検証した結果を発表しました

ブラックホールは、その強い重力によって周囲の時空をゆがめる究極の天体です。そのためブラックホールのごく近傍を観測することで、強い重力のもとでどのような重力理論が働いているかを検証することができます。 今回、EHTの研究者らは2019年に公開したEHTのM87巨大ブラックホールの画像を使い、一般相対性理論を含む多様な重力理論の検証を行いました。その結果、一般相対性理論が観測データと非常によく一致すること、そのほかの重力理論にも観測されたブラックホールを表現する余地が残っていることがわかりました。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

 

ブラックホールの画像から一般相対性理論を含む多様な重力理論を初検証

[English]

2019年、イベント・ホライズン・テレスコープ (Event Horizon Telescope, EHT)国際協力プロジェクトのチームは、楕円銀河M87の中心に位置する巨大ブラックホールの最初の画像を発表しました。今回、EHTの研究者たちは、アインシュタインの一般相対性理論を検証するためにEHTの観測で得られたM87巨大ブラックホールのデータを分析しました。検証によると、ブラックホール・シャドウの大きさは、一般相対性理論で見事に説明できます。さらにほかの重力理論で同様に検証したところ、それらの理論でM87のブラックホールを表現する余地も残されていることがわかりました。

ポスター「なにがわかった!?ブラックホール研究の最前線」

(こども向け)
(大人向け)

[大きいサイズのポスター:PDF 113メガバイト]

2019年4月のEHT最初の成果発表から2年、この間にEHTプロジェクトが明らかにしてきたブラックホールの姿をポスターにまとめました。ポスターの中で気になるトピックを見つけたら、ぜひ詳しい記事をご覧ください (成果報告のページ)。

教育関係のみなさまへ

このポスターは自由にご利用いただけます。申請の必要はありません。

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ポスター制作:
田崎文得 / 国立天文台水沢VLBI観測所
2021年4月22日

Japanese
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