学習コンテンツ「宇宙かるたを作ろう」を公開しました
ブラックホールを中心とした宇宙を題材に、かるたを制作するコンテンツを公開しました。文章を見ながら宇宙を想像し、自由に絵を描いてみましょう。どんなかるたができるでしょうか?自分だけのオリジナルかるたを楽しんでくださいね。
宇宙かるたを作ろう
宇宙について学びながら、自分だけのオリジナルかるたを作ってみましょう!
どんなかるたができるかな?
自由に絵を描いた後は、かるた取りを楽しんでくださいね。
材料
- はさみやカッター
- A4用紙 (ケント紙など)
- クレヨン・色鉛筆
- のり(必要な場合)
ダウンロードするファイル
作り方
- 読みふだと白紙の絵ふだを印刷します。ケント紙など厚めの紙に印刷すると遊びやすいです。
- はさみやカッターを使って、読み札や絵札を切り分けます。
- 下の解説を読みながら場面を想像して、クレヨンなどで絵ふだを描きます。普通紙で作った場合は、絵を描いた後に厚紙に貼り付けると遊びやすいです。
- かるたの完成です。遊んでみましょう!
各ふだの解説
印刷して使う場合はPDF(ふり仮名つき)をダウンロードしてください。
えいせいは ちきゅうのまわりを まわってる
地球などの惑星のまわりを回っている天体を「衛星」と言います。 月は地球の衛星です。 人が作った衛星は「人工衛星」で、地球や宇宙について調べたり、GPSや衛星放送で使われます。 また、イオ、エウロパ(木星の衛星)やタイタン(土星の衛星)など、地球以外にもたくさんの衛星があります。
むかしのうちゅう とおくをみて しらべるよ
遠くの星を出発した光が時間をかけて地球までやってきて、望遠鏡や人間の目の中に入ることで、私たちは星を見ることができます。 太陽から出た光は8分かけて地球までやってくるので、私たちが見ている太陽は8分だけ古い太陽なのです。 ブラックホールが撮影された銀河M87は、光が届くのに5500万年かかるので、5500万年前の姿を見ていることになります。 つまり、昔の宇宙がどのような姿だったかを調べるためには、遠くの宇宙を調べればよいのです。
はくちょうざのくびもとにも ちいさなブラックホール
はくちょう座の首のところに、はくちょう座X-1(エックスワン)というブラックホールがあります。 銀河の中心にある巨大ブラックホールよりもずっと小さく、重さは太陽10個分くらいです。
ちきゅうサイズのぼうえんきょう イベント・ホライズン・テレスコープ
イベント・ホライズン・テレスコープは、地球上の6ヶ所にある8台(2017年時点)の電波望遠鏡をつなぎ合わせることで、地球サイズの望遠鏡のように宇宙を見ることができます。 この望遠鏡の視力は人の300万倍で、月の上のゴルフボールと同じくらい小さなものを見ることができます。 これによって、M87の中心にある巨大ブラックホールの撮影に成功しました。
じェットがふきだす ぎんがのそとまで
ブラックホールのすぐそばから、ガスが噴水のように吹き出すことがあります。これがジェットです。 ブラックホールの重力(周りのものを引っ張る力)にさからい、光の速さに近い速度で吹き出して、銀河の外まで飛び出してしまいます。
ゆうやけが あかいのは どうしてなの?
夕焼けが赤いのはどうしてでしょうか? 太陽からやってくる光には、いろいろな色の光が混ざっています。 虹が赤・オレンジから青・紫までカラフルなのはそのためです。 朝や夕方の太陽は、とても低いところにあるので、光が地球の空気の層を長く通ります。 その間に青や紫の光は空気中の粒子に弾かれてしまい、赤やオレンジの光が残るので、夕焼けは赤く見えるのです。
うちゅうには まだまだ ふしぎがいっぱい
宇宙にはわからないことがたくさんあります。 皆さんはどんなことを知りたいですか?
ななつぼし ひしゃくのかたちの ほくとしちせい
北斗七星はおおぐま座にある、ひしゃくの形に並んだ7つの星です。
ぎんがのまんなかには きょだいブラックホール
宇宙にはたくさんの銀河があります。 それぞれの銀河の真ん中には巨大なブラックホールがあり、その重さは太陽の100万個分から100億個分にもなります。
がすたべて おおきくなるよ ブラックホール
ブラックホールは周りにあるガスを吸い込んだ分だけ重くなっていきます。 周りにガスがたくさんあると、その分明るく輝くので、明るいブラックホールほど成長期のブラックホールだと考えられています。
のってみたい? ブラックホールへのうちゅうせん
もしもブラックホールへ行くことのできる宇宙船があったら、乗ってみたいですか? ブラックホールの近くまで行って観察できるでしょうか?中に入ってみることはできるでしょうか?
ぶつりがくしゃアインシュタインの そうたいせいりろん
アインシュタインという物理学者が作った相対性理論を使うことで、ブラックホールという変わった天体が宇宙にあるかもしれない、ということがわかりました。
らッキーだ たくさんみえたよ ながれぼし
皆さんは流れ星を見たことがありますか? 流れ星は、宇宙のチリが地球の空気の層に入ってきたときに熱くなって燃えることで、ひかっています。
つよいじゅうりょくで たいじゅうがふえるよ
ブラックホールのような重力(周りのものを引っ張る力)の強い星に行くと、体重はどうなるでしょうか? 地球の上で体重を計ることができるのは、皆さんの体が地球の重力で下に向かって引っ張られているからです。 地球よりも重力の強い星に行って体重計に乗ると、体重は増えてしまいます。
くろいほし ひかりもでれない ブラックホール
ブラックホールは重力が強く、光さえも吸い込まれたら出てくることができません。 光が出ないので、真っ黒に見えるのです。
ほしのだいばくはつ まんなかにのこるのが ブラックホール
はくちょう座X-1のような小さなブラックホールは、重たい星の超新星爆発で作られます。 太陽30個分よりも重たい星が爆発することで、星の中心部分が潰れて、ブラックホールができます。
おーロラは うちゅうからの おくりもの
オーロラとは、北極や南極の近くで夜に見ることのできる、空がひかる現象です。 緑や赤などのカーテンのように見えます。 太陽からやってきたガス(プラズマ)が、地球に届いて空気とぶつかることで、ひかっています。 地球が磁石の性質をもっているため、北極や南極で見られます。
るすばんしてたら うちゅうじんがあそびにきたよ
家に宇宙人が遊びにきたら、どうしましょう!? 一緒に遊びますか?それとも・・・
みんなできょうりょく ブラックホールさつえいプロジェクト
ブラックホールの撮影に成功したイベント・ホライズン・テレスコープ・プロジェクトには、200名以上の研究者が参加しています。 様々な国と地域から集まった研究者が協力して、ブラックホールの研究を進めています。
たいへんだ! いえのなかにブラックホールができちゃった
もしも、なんでも吸い込むブラックホールが家の中にあったらどうしましょう!?
よあけまえ あかるくひかる あけのみょうじょう
夜明け前に東の空に見えるのが明けの明星、金星です。 金星は地球と比べて太陽の近くを回っているので、地球から見るといつも太陽のそばにあります。 太陽が昇っている間は金星が見えませんが、夜明け前や夕暮れ時なら、空が明るくても輝く金星を見つけることができます。
完成例
郡山市ふれあい科学館スペースパークさんが、印刷してすぐに遊べるかるたを作成してくれました!! 絵を描くときの参考にしたい、という方もこちらをご覧ください。
郡山市ふれあい科学館へのリンク:http://www.space-park.jp/
関連ページ
- 奥州宇宙遊学館:http://uchuyugakukan.com/「宇宙かるた」ご家族みんなで遊ぼう/
- 郡山市ふれあい科学館スペースパーク:http://www.space-park.jp/cyber/hoshizora/archives/202005/071000.html
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かるた制作:
Fumie Tazaki / 奥州宇宙遊学館

秋山和徳 (NRAOジャンスキーフェロー) が令和2年度 文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞
このたび、国立天文台水沢VLBI観測所の秋山和徳 (あきやま かずのり) 特別客員研究員が、令和2年度 文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。若手科学者賞は科学技術分野の文部科学大臣表彰の一つで、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の科学技術分野の若手研究者に授与されます。今年度は秋山氏を含め97名が受賞しました。
秋山氏は現在、米国マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所において、アメリカ国立電波天文台 (NRAO) ジャンスキーフェローとして勤務しています。イベント・ホライズン・テレスコープによってM87巨大ブラックホールのシャドウが初めて撮影されるまでの、秋山氏の研究や貢献が高く評価され、若手科学者賞の受賞となりました。秋山氏は今年2月に2019年度日本天文学会研究奨励賞を受賞しています。
「先日の日本天文学会研究奨励賞に続いて、このような栄誉を賜り大変光栄です。今回の受賞はブラックホールの初撮影が天文学のみならず、日本の科学技術分野全体に大きなインパクトを与えられた結果だと考えています。」と今回の受賞について秋山氏は話しています。
クエーサー 3C 279 の中心で輝くジェットをEHTが高解像度で観測
クエーサー 3C 279 の巨大ブラックホールから吹き出すジェットをEHTで観測した成果が発表されました。観測が行われたのは、1年前に発表した M87 の巨大ブラックホールと同じ、2017年4月です。ドイツ・マックスプランク電波天文学研究所のキム・ジェヨン氏らがデータ解析を行い、このジェット根元を0.4光年ものサイズで分解した、これまでで最も高精細な画像が得られました。
EHTの高い解像度により、今回新たに、ジェットが少しねじれた形状をしていること、ジェットに垂直な構造があることがわかりました。これはジェットが吹き出す降着円盤の極の部分を見ている可能性があると考えています。また、4日間の観測の間にその形状が細かく変化していることから、円盤の回転とガスの降着、ジェットの放出の様子を知る手がかりになると考えられます。
詳細は以下をご覧ください。
ウェブリリース (日本語)
http://www.miz.nao.ac.jp/eht-j/c/pr/pr20200407