ブレークスルー賞の授賞式が行われました!

日本時間の2019年11月4日正午に、米国カリフォルニア州にある NASA Ames Research Center にて第8回ブレークスルー賞の授賞式が行われました。

イベント・ホライズン・テレスコープ (EHT) プロジェクトは、おとめ座にある楕円銀河 M87 の巨大ブラックホールの撮影に成功した功績を認められ、基礎物理学における2020年ブレークスルー賞を受賞しました。ファウンディング・ディレクターのシェパード・ドールマン氏が代表として授賞式に出席し、トロフィーを受け取りました。授賞式の様子は、以下のウェブページから閲覧することができます。

YouTube: http://www.youtube.com/watch?v=rOa0gRHfX20

facebook: http://www.facebook.com/BreakthroughPrize/

 

日本天文学会2019年秋季年会でEHTメンバーが講演

日本天文学会2019年秋季年会が熊本大学にて開催され、EHTメンバーも参加しています。初日 9月11日の活動銀河核セッションでは、メンバーがEHTの成果などについて講演しました。

セッションの前半では、EHTが2019年4月に発表した成果の概要やデータ較正や画像化の具体的な過程、画像の理論的な解釈、研究でわかったことなどを説明しました。本間希樹 (国立天文台水沢VLBI観測所)、小山翔子 (台湾中央研究院天文及天文物理研究所)、秋山和徳 (マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所)、田崎文得 (国立天文台水沢VLBI観測所)、當真賢二 (東北大学)、笹田真人 (広島大学) が登壇しました。

後半は、EHTと密接に関係したブラックホール研究について、理論的・観測的側面から述べました。登壇したのは、川島朋尚 (国立天文台天文シミュレーションプロジェクト)、森山小太郎 (マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所)、崔玉竹 (総合研究大学院大学、秦と講演者交代)、紀基樹 (工学院大学)、沖野大貴 (東京大学) です。

また、これらのセッションの座長は、永井洋 (国立天文台アルマプロジェクト) と紀基樹 (工学院大学) が務めました。

ブレークスルー賞の受賞決定!

EHT によるブラックホール撮影の成果に対して、ブレークスルー賞が授与されることが決まりました。

EHT からの公式プレスリリース (英語):
Breakthrough Prize in Fundamental Physics awarded to the Event Horizon Telescope Collaboration

国立天文台水沢 (日本語):
イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)が2020 基礎物理学ブレイクスルー賞を受賞

ブラックホール顔はめパネル!?

水沢VLBI観測所の職員有志が、敷地内に顔はめパネルを製作しました。パネルの裏面には、ブラックホールクイズもあります。これをきっかけにブラックホールに親しんでいただけたら嬉しいです。

ちなみに観測所所長でありEHT-Japan代表の本間は、一足早く楽しんでおります。

所内には、直径20mの電波望遠鏡があり、東アジアVLBI観測網(EAVN)の1つとしてブラックホール研究を担っています。こちらも合わせてご覧ください。

文責:田崎 文得

史上初、ブラックホールの撮影に成功!

国際プロジェクト 『イベント・ホライズン・テレスコープ (Event Horizon Telescope; EHT)』は、初めてブラックホールシャドウを撮影することに成功しました。

詳細は以下をご覧ください。

 Event Horizon Telescope Japan プレスリリース

 国立天文台 プレスリリース

 ALMA プレスリリース

 Event Horizon Telescope 公式ページ

史上初、ブラックホールの撮影に成功!

地球サイズの電波望遠鏡で、楕円銀河M87に潜むブラックホールに迫る

国際プロジェクト『イベント・ホライズン・テレスコープ (EHT)』は、ブラックホールシャドウを撮影することに、世界で初めて成功しました。この成果は、日本時間2019年4月10日22時07分に、『アストロフィジカルジャーナル・レターズ (The Astrophysical Journal Letters)』特集号で6編の論文として公開されました。今回撮影に成功したのは、地球から5500万光年離れたメシエ87 (M87) 銀河の中心にある、巨大ブラックホールのシャドウです。明るく輝くリング構造の内側に暗い部分 (シャドウ) が観測され、これがブラックホールの重力によって光が脱出できなくなる証拠となります。本成果は物理学・天文学における100年来の謎に対する現代科学の究極的な到達点であるとともに、直接撮像によるブラックホール研究という新たな時代の幕開けを意味します。EHT日本グループからのプレスリリース文はこちらをご覧ください。研究成果に関する詳細は以下に続きます。