新しいEHT観測から明らかになったM87ブラックホールの予想外の偏光の反転

[English]

国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールの新しい詳細な画像を公開し、ブラックホール付近の偏光パターンが変化する動的な様子を明らかにしました。さらに、研究者たちはEHTの観測に基づき、ブラックホール・シャドウの周りのリング構造に接続するジェットの根元の兆候を初めて発見しました。 欧州の天文学専門誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジクス』に9月16日付けで掲載されたこれらの研究成果は、ブラックホールを取り巻く極限環境で物質とエネルギーがどのように振る舞うかについての新たな知見を提供するものです。

 

新しいEHT観測から明らかになったM87ブラックホールの予想外の偏光の反転

イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)コラボレーションは、楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールの新しい詳細な画像を公開し、ブラックホール付近の偏光パターンが変化する動的な様子を明らかにしました。さらに、研究者たちはEHTの観測に基づき、ブラックホール・シャドウの周りのリング構造に接続するジェットの根元の兆候を初めて発見しました。 今回発表されたこれらの新しい観測成果は、ブラックホールを取り巻く極限環境で物質とエネルギーがどのように振る舞うかについての新たな知見を提供するものです。

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新しいEHT観測から明らかになったM87ブラックホールの予想外の偏光の反転

新潟大学の小山翔子助教が第27回守田科学研究奨励賞を受賞しました

新潟大学大学院自然科学研究科/創生学部の小山翔子助教が一般社団法人大学女性協会(JAUW)の第27回(2024年度)守田科学研究奨励賞を受賞し、6月8日に授賞式が行われました。授賞テーマは、「国際ミリ波観測網で切り拓く巨大ブラックホール撮影の本質的貢献」です。

同賞は、化学教育者・故守田純子氏から遺贈された資金をもとにして、自然科学を専門とする女性科学者の研究を奨励し、科学の発展に貢献する人材を育成することを目的として、1998年に設けられたものです。自然科学分野において、優れた研究成果をあげており、科学の発展に貢献することが期待される40歳未満の女性科学者を対象としています。

小山氏は、「ブラックホールの撮影という共通の目標のもと、長い年月をかけて練られてきた国際的な計画に、世界中の研究者が集結して成し遂げた歴史的な成果です。その一端に加わることができ、また自らの活動を評価いただけたことを大変嬉しく思います。今後は、国際的なプロジェクトで活躍する女性研究者がさらに増えるよう、研究の魅力を伝えていきたいです。」とコメントしています。

M87ブラックホールの1年後:流入ガスの乱れを捉える

国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、2017年と2018年の観測結果について、理論シミュレーション画像との比較から、M87ブラックホールの自転軸が地球とは反対方向を向いていることを再確認し、リングの最も明るい場所の変化には、ブラックホールの周囲を回転するガス円盤の乱流が重要な役割を果たしていることを示しました。これはブラックホール周辺の複雑な運動状態を解明する上で大きな前進となります。

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ブラックホールの1年後:流入ガスの乱れを捉える

M87ブラックホールの1年後:流入ガスの乱れを捉える

[English]

国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、2017年と2018年の観測結果の比較からM87銀河の中心にある巨大ブラックホールについて理解を深めることに成功しました。本研究では、1年の間に事象の地平面スケールで起こった現象を解析できるようにするため、理論シミュレーション画像を新たに12万枚も追加し、観測結果と照らし合わせました。その結果、M87ブラックホールの自転軸が地球とは反対方向を向いていることを再確認しました。そしてリングの最も明るい場所の変化には、ブラックホールの周囲を回転するガス円盤の乱流が重要な役割を果たしていることを示しました。これはブラックホール周辺の複雑な運動状態を解明する上で大きな前進となります。本研究成果は欧州の天文学専門誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジクス』に掲載されました。

M87のジェットから強力なガンマ線フレアを検出 〜EHTと多波長観測が捉えた巨大ブラックホールの活動期〜

[English]

図1:2018年4月に様々な波長で撮影されたM87の画像およびガンマ線望遠鏡によって検出されたフレアの測定データ。クレジット:EHT Collaboration, Fermi-LAT Collaboration, H.E.S.S. Collaboration, MAGIC Collaboration, VERITAS Collaboration, EAVN Collaboration

 

M87のジェットから強力なガンマ線フレアを検出 〜EHTと多波長観測が捉えた巨大ブラックホールの活動期〜

イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)コラボレーションおよび多波長の観測グループからなる国際研究チームは、M87銀河の中心部を電波からガンマ線で一斉観測した新たな研究成果を発表しました。一斉観測の結果、M87中心部から強力なガンマ線フレアを捉えることに成功しました。本成果はM87の巨大ブラックホールが約10年ぶりの活動期を迎えたことを示すとともに、超高エネルギー電磁放射の発生メカニズム解明に手がかりを与えるものです。

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M87のジェットから強力なガンマ線フレアを検出〜EHTと多波長観測が捉えた巨大ブラックホールの活動期〜