天の川銀河中心のブラックホールの縁に渦巻く強力な磁場を発見

[English]

国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は天の川銀河の中心に潜む巨大ブラックホール「いて座A*(エースター)」のごく近傍で電波の偏光を捉えることに成功しました。新たに得られた偏光の画像から、ブラックホールの縁から渦巻き状に広がる整列した強い磁場が発見されました。この磁場構造はM87銀河の中心にある巨大ブラックホールと驚くほどよく似ており、強い磁場がすべてのブラックホールに共通して見られる可能性を示唆しています。この類似性はいて座A*に隠れたジェットがある可能性も示唆しています。この成果は、米国の天体物理学雑誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載されました。

天の川銀河中心の巨大ブラックホール「いて座A*(エースター)」の偏光画像。(画像クレジット:EHT Collaboration)

天の川銀河中心のブラックホールの縁に渦巻く強力な磁場を発見

EHTで2017年に観測したデータを解析することで、天の川銀河中心の巨大ブラックホール「いて座A*」のごく近傍で電波の偏光を捉えることに成功しました。これはブラックホール周囲の磁場構造を理解し比較する上で重要な成果です。

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天の川銀河中心のブラックホールの縁に渦巻く強力な磁場を発見

初撮影から1年後のM87ブラックホールの姿

EHT国際研究チームは、史上初の撮影に成功した楕円銀河M87の巨大ブラックホールについて新たな観測画像を公開しました。今回公開された画像は、初撮影が行われた2017年の観測から約1年後の2018年に観測されたものです。

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EHT Japan プレスリリース

国立天文台 プレスリリース

 

 

初撮影から1年後のM87ブラックホールの姿

[English]

国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、史上初の撮影に成功した楕円銀河M87の巨大ブラックホールについて新たな観測画像を公開しました。今回公開された画像は、初撮影が行われた2017年4月の観測から約1年後の2018年4月に観測されたものです(※1)。2018年の観測では新たにグリーンランド望遠鏡がネットワークに参加し、またデータ記録速度が向上したことでM87ブラックホールの新たな姿が明らかとなりました。1年後の画像では、2017年に観測されたものと同じ大きさのリング構造が確認されました(図1)。この明るいリングに囲まれた中央の暗い部分が、まさに一般相対性理論から予言されている「ブラックホールシャドウ」の存在を裏付けています。一方で、リングの最も明るい場所は角度にして約30度異なっており、ブラックホール周辺の物質が乱流状に振る舞っていることを示唆しています。この成果は、欧州の天文学専門誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジクス』に掲載されました。

歳差運動するM87ジェットの噴出口 〜巨大ブラックホールの「自転」を示す新たな証拠〜

[English]

EHT-Japanのメンバーらを中心とする国際研究チームは、東アジアVLBIネットワークをはじめとする観測装置を用いて、楕円銀河M87の中心から噴出するジェットの運動を詳しく観測しました。過去20年以上にわたる観測で得られた多数の画像を分析しまとめた結果、ジェットの噴出方向が約11年周期で一般相対性理論が予言する歳差運動(首振り運動)をしていることを発見しました。本成果は、M87の巨大ブラックホールが自転(スピン)していることを示すとともに、強力なジェットの発生にブラックホールの自転が深く関与していることを裏付けるものです。研究成果は、英国の科学雑誌『ネイチャー』に2023年9月27日付で掲載されました。

歳差運動するM87ジェットの噴出口 〜巨大ブラックホールの「自転」を示す新たな証拠〜

EHT-Japanメンバーを中心とする国際研究チームは、楕円銀河M87の中心部を詳しく観測し、巨大ブラックホールの自転を示すジェットの歳差運動を発見しました。観測に用いた望遠鏡は、VERAを含む東アジアVLBIネットワークと呼ばれる国際電波望遠鏡ネットワークです。

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    国立天文台 プレスリリース