「視力50万の瞳」が捉えたソンブレロ銀河の中心に潜む超巨大ブラックホールの周辺構造

観測手法:位相補償VLBIとは?

  

図3:観測技術VLBIの例。(画像左)米国のVLBI観測網「VLBA」.(画像右)国立天文台が保有する日本のVLBI観測網「VERA」。(credit: (画像左): Jeff Hellerman/NRAO. (画像右)国立天文台)


研究チームは今回、「位相補償VLBI」という観測手法を駆使することでこれらの困難を克服しました。 VLBI(Very Long Baseline Interferometry:超長基線電波干渉計)とは、地球各地に存在する複数の電波望遠鏡を繋ぎ、地球サイズ規模の実効口径を持つ巨大電波望遠鏡を実現する技術です(図3)。これによりすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡の100倍以上という、あらゆる観測装置のなかで圧倒的な解像度を実現することができます(表)。

更に、ここに位相補償という技術を組み合わせます(図4)。位相補償とは日本の国立天文台が世界をリードしている観測手法であり、目標天体と隣接する参照天体をほぼ同時に観測することで、地球大気によるゆらぎを除去する技術です。これにより、暗い天体からやってくる微弱な電波でも大気による擾乱に埋もれること無く鮮明に検出することが可能になります。

--> 4. 観測結果

CSS not active

JavaScript not active