JUICE-GALAチームミーティング(2023.03.01~03)に出席して
2023年4月14日,南米仏領ギアナのクール―(Kourou)にあるギアナ宇宙センターからヨーロッパ宇宙機構(ESA: European Space Agency)主導で開発された木星衛星系探査機(JUICE)が無事打上げられました[1]. JUICE搭載機器の1つにレーザ高度計があります(GALA: GAnymede Laser Altimeter;[2],写真1).いわゆるレーザ測距計のことでレーザパルスを発射して目標点までの往復時間を計り距離を測定する装置です.天体を周回する探査機に搭載されたレーザ高度計は,天体の重心に対するレーザ高度計の位置とレーザの発射方向がわかっていればレーザが照射する天体上の位置を決めることができ,これを繰り返すことで天体の地形や形状を精度よく決定できます.打上げ11年後の2034年に予定されているJUICE-GALAのガニメデ周回観測では,ガニメデの形状が木星の巨大な潮汐作用で歪んでいるだけでなく,それが時間変化する様子まで詳しくわかるはずです.さらに最近では氷天体の内部に液体の層(内部海)があると考えられており,GALAの観測データからガニメデ内部海の深さや規模を推定し,氷天体の内部海の存在を世界で初めて明らかにすることが期待されています.
