ふれあい天文学・大連日本人学校

 

国立天文台の職員が小中学校を訪ねて宇宙の話をする「ふれあい天文学」は、今年はCOVID-19の都合で主にオンライン・コミュニケーションツールを利用したリモート授業として実施されています。場所を選ばないリモート授業の利点を生かして、今年は国外の日本人学校さんからの申し込みが多数あり、今回私は2020年11月19日(木)に、中国・大連の日本人学校で学ぶ中学生に向けて授業を行いました(写真1)。小惑星のかけらが入っていると期待されるカプセルがもうじき(12月)地球に帰還する予定の「はやぶさ2」の話を中心に、仮想的に宇宙を旅することができるソフトウェア”Mitaka”の実演や星の楽しみ方など、2コマを頂いてお話しました。

 

中国からの学生さんが3週間滞在しました。

総研大 天文科学専攻の冬の学校として、中国 武漢大学の学部4年生、ガオ・ウートン(高梧桐)君をRISE月惑星探査プロジェクトで受け入れました。ガオ君は2020年1月11日から29日まで国立天文台 三鷹キャンパスに滞在し、筆者と「はやぶさ2」レーザー高度計データを使って、地形図を作成する研究を行いました。短い共同研究でしたが、地形基準面の考え方や、地図投影法、他の小惑星との比較、論理の組み立てについてじっくり深い議論ができたと思います。初めての海外で、到着直後は大変緊張していた様子でしたが、慣れてくるにつれて積極的に自分の意見をぶつけて来るようになり、小惑星探査のデータ解析手法を貪欲に吸収していました。筆者にとっても、あらためて地形データについて基礎から考え直す良い機会になりました。今回の共同研究で、若い力がすくすくと伸びている中国の惑星科学分野が日本にどんどん迫ってきている事を痛感しました。下に、ガオ君が帰国後に送ってくれたメールの和訳と本文(英語)を、本人の了承を得てコピーします。