「MIZUSAWA星まつりIIIと水沢VERA観測所第2回観望会」報告

水沢地区では、旧緯度観測所本館が奥州市に譲渡され、現在改修工事が行われています。来年春に市民の為の施設“奥州宇宙遊学館”としてオープンする事になっています。ここで活動の中心になる事が期待されているのが、地元の天文愛好者を中心に数年前に発足したNPO法人イーハトーブ宇宙実践センターと、活動15年目に入る財団法人日本宇宙少年団水沢Z分団です。ここ数年、国立天文台と上記2者の協力による活動が活発に行われています。ここでは、今年度8月に行われた2つの活動について報告したいと思います。

MIZUSAWA星まつりIII

この星まつりは、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター主催、財団法人日本宇宙少年団水沢Z分団等共催、国立天文台水沢VERA観測所・RISE推進室等後援で、8月5日(日)に水沢観光物産センター(奥州市水沢区)で行われました。開催3回目の今年は、一般市民約800名が参加しました。相原正明奥州市市長の祝辞のあとに、地元の保育園児の力強い太鼓演奏が実演されました。

今年は、SELENE衛星打ち上げを間近に控えたタイミングでの開催となり、国立天文台RISE推進室の河野宣之教授により、SELENE衛星による月探査についての分かりやすい講演がありました(その後、SELENEは「かぐや」と命名され、現在、月探査に挑んでいます)。目玉の星空観望会では、天文台から35cm観望用望遠鏡を始め数台を持ち込み、ボランティアで参加した天文台関係者と地元の天文愛好家が協力して対応しました。雲の多い天気ではありましたが、雲間から月や木星などの惑星の姿や夏の星を楽しんで頂きました。例年行っているライトダウンの呼びかけは、来年以降も引き続いて行って行きたいと思います。

水沢VERA観測所第2回観望会

数年ぶりに北日本で観望できる皆既月食に焦点を合わせて、水沢VERA観測所・RISE推進室主催、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター、財団法人日本宇宙少年団水沢Z分団共催で、8月28日(金)に水沢VERA観測所構内で行いました。今年度の第1回目の観望会は、あいにくの雨で中止になった事もあり、この第2回目は、てるてる坊主を10個ほど作るなど、入念な(?)準備を行いました。

これまで観望会は、毎回200名程度の参加者でしたので、300名の参加を期待して、地元水沢区の小学校児童一人ひとりにチラシを配るなどの対応を行った所、約520名の参加があり、嬉しい悲鳴を上げる事になりました。始めは曇りでしたが、てるてる坊主10個のお陰か、途中から皆既に入った赤黒い月を見ることができました。ちょうど良い機会でしたので、国立天文台が皆既中の月の色の情報を募った“「皆既月食どんな色?」キャンペーン”に参加するようにアピールしました。後で集計結果をみると、岩手県からの参加者の年齢構成が私たちの観望会とほぼ同じなので、キャンペーン岩手県参加者の多くがこの観望会の参加者だったと密かに自負しています。

「国立天文台ニュ-ス No.172より転載」<水沢VERA観測所 亀谷 收>

CSS not active

JavaScript not active