VERA小笠原観測局施設公開「スターアイランド2009」報告

「スターアイランド2009」(VERA小笠原観測局施設公開)が2009年9月27日(日)に行われました。ここ数年11月に行っていましたが、小笠原村の行事と重なることが多いため2か月ほど早めの開催です。7月の皆既日蝕で注目された小笠原へは25時間半の船旅です。しかも滞在時間は3日間、この間に施設公開やその準備はもちろんのこと講演会や星空観望会も行おうという盛りだくさんなスケジュールです。

講演会は25日夜に小笠原ビジターセンターで、「かぐや、月に帰る」「望遠鏡400年」と題してそれぞれ野田寛大助教、柴田によって行われました。宣伝不足で島の皆さんが来てくださるか心配しましたが、会場は満員となり立ち見(聴き?)の方も出るほどの盛会となりました。合わせて1時間程度の講演でしたが皆さん熱心に聞いてくださり、特に「かぐや」の話は興味を引いたようでたくさんの質問が出されていました。

26日夜には父島のお祭り広場で星空観望会です。この観望会は昨年同様小笠原天文倶楽部に主催して頂き、天文台スタッフはお手伝いです。例年三鷹同様天候が良くなかったのですが、今回は2か月早めたのが功を奏したのかスタッフが良いのか集まった皆さんの執念か、快晴ですばらしい星空となりました。天文倶楽部のスタッフによる星座や木星の衛星の説明があったあと、月や木星の観望が行われ、集まった100名以上の方が月のクレーターや木星の衛星を楽しんでいました。それにしても天文倶楽部の皆さんの説明の巧みさには毎回感心してしまいます。見習わなくては!

27日、観測局の施設公開ではVERAやRISEの説明パネル展示をはじめ、ミニ講演会、おもしろ実験コーナー、クイズラリー、20m電波望遠鏡運転などが行われました。ミニ講演会は15分の講演を6件各2回行うものでしたが、ほとんどが時間オーバーという熱の入り方でした。おもしろ実験コーナーでは、天文台スタッフが準備してきた実験を小笠原高等学校の生徒さん4名に説明・実演をお願いしました。生徒さんたちにも大変興味を持ってもらえて、自分たちで改良・工夫して来場者と一緒に楽しんでいたようです。来場者数は約330名で、常に満員状態休む暇なしの盛況ぶりでした。

「スターアイランド2009」開催にあたり小笠原村の皆様にたくさんのご協力を頂きました。深くお礼申し上げます。

「国立天文台ニュ-ス No.198より転載」<水沢VLBI観測所 柴田 克典>

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