STAR ISLAND 18 (小笠原局特別公開)報告

世の中が、「この冬一番の大寒波」、「荒れる天候」、「都心で雪」と騒がしかった2月の3連休(9-11日)に、水沢と三鷹からの一行7名は、東京からはるか南約1000kmの小笠原諸島父島に行って来ました。VERA小笠原観測局の特別公開STAR ISLAND18を開催するためです。

2月8日11時、私たちが乗る3代目「おがさわら丸」は東京港竹芝客船ターミナルを出港しました。出港4時間ほど経過し外洋に出ると、早速小笠原海運さんのご好意で実現した船内レクチャーを実施しました。小笠原を120%楽しむという自然ガイドさんのお話の後、宇宙を加えて小笠原を120%以上楽しむをテーマに、日本一の小笠原の夜空・VERA紹介・特別公開イベントの宣伝を行いました(写真1)。 会場となった船内のレストランChichi-jimaがほぼ満杯となる約130名の方々に良いアピールをすることができました。


写真2:宇宙講演会での一コマ

翌9日に、24時間の長い船旅を終え父島に無事到着した私たちは、早速宿にチェックインした後に、再集合。現地業務担当の官谷さん夫妻と先乗り1名と合流した後、昼食を済ませ慌ただしく局に向かい公開日の準備を行いました。
 夜には最初のイベントとして、天文データセンターの大石さんによる宇宙講演会を小笠原ビジターセンターで開催しました。「宇宙に生命の種を探す」と題された講演には満席近い38名もの方に参加いただきました。聴衆の皆さんは、我々の体を作る物質がビックバンや星起源だという話に聞き入っていました。地元の天文少年の知識量の豊富さにも驚かされつつ、鋭い質問も有り、盛り上がった講演会でした(写真2)。






写真:上から順に、受付風景。中学生実験とクイズラリーに夢中な一コマ。アンテナぐるぐる回し。はやぶさ2の解説中。触れる小惑星リュウグウ模型

10日はメインの局特別公開です。「今日は他のイベント・リハーサルで地元の人は来られないみたい」という話を聞かされた上、準備している間に激しい雨に見舞われ気分が盛り下がりつつある時に、「人がバスに乗り切れないほど溢れかえってます。どうしましょう?」と、無料送迎バスをお願いしている所から電話。輸送力総動員をお願いして、開始の10時にいきなり人が溢れる大にぎわいとなりました。
 地元中学生が用意周到に準備した理科実験コーナーでの電気クラゲなどの実験に大騒ぎで夢中になる子供達。クイズラリーの問題を探して走り回る子供達。アンテナぐるぐる回しでは、ゲームコントローラを操作し20m電波望遠鏡が軽々動く様子に大人も子供も歓声をあげる。1日中人が絶えることがない記念写真シールと、いつもの賑やかで楽しいイベントになりました。
 観光客を中心とした大人の方々には、ミニ講演会やパネル展示の説明を熱心に聞いていただきました。今回特筆すべきは、最初の着陸予定直前という話題性抜群のはやぶさ2に関して、RISE月惑星探査検討室からの強力助っ人・樋口さんに同行頂けたということがあります。最新のはやぶさ2の話題や最新データで作成した触れる小惑星リュウグウの模型展示があり、今回のイベント最大の目玉企画として、多くの来場者の関心をさらって行ってしまったような状態でした。
 このイベントでは、地元の中高生を中心に若干来場者は減りましたが、多くの地元の方が来場されました。また、ツアーを一部キャンセルして時間を作ったという観光客の方々もいらっしゃって、来場者が飛躍的に増え、248名(来場記帳者数)とこの時期開催での最高の来場者をお迎えすることができました。終盤に天気が崩れたため夜の観望会は残念ながら中止になってしまいました。ここにも多くの観光客・地元の方々が集まり、恨めしそうに会場を後にされたようです。お天気ばかりはどうしようもありませんでした。

少ないスタッフ+地元中学生での運営ではありましたが、過去最高来場者をお迎えすることができたSTAR ISLAND 18となりました。中学生諸君と小笠原中学や高校の先生のご協力に感謝です。そのほか後援や協力頂いた関係各機関の皆様にも感謝です。いたらないチーフとして、今回内地からご同行頂き奮闘頂いたスタッフの皆さんとお手伝い頂いた朝倉さん・小森さんに、この場をお借りしてお礼を言わせて頂きます。先乗りで2航海滞在した大石さんに感謝申し上げます。ふれあい天文学と宇宙講演会と大活躍して頂きました。はやぶさ2の話題を提供頂けたRISE樋口さんには特に感謝いたします。今回のイベントの柱となり盛り上げて頂きました。


来年もまた開催しますので、ぜひSTAR ISLAND 19にお出でください。ご来場を楽しみにお待ちしております。

文責:砂田和良

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