GGOS Japanが2023年度日本測地学会坪井賞(団体賞)受賞

10月12日、仙台市福祉プラザで開催された日本測地学会第140回講演会において、GGOS Japanが2023年度日本測地学会坪井賞(団体賞)を受賞しました。水沢VLBI観測所を含む国立天文台は、GGOS Japanの構成機関の一つです。

日本測地学会賞坪井賞(団体賞)は、測地学の発展に大きく寄与された故 坪井忠二先生の業績を記念し、組織的研究が要求されるという測地学の特性から団体研究が重要な意義を有することに鑑み、顕著な業績をあげた団体を顕彰するものです(日本測地学会ホームページより引用、一部抜粋)。受賞したGGOS Japanは、全球統合測地観測システム(GGOS/Global Geodetic Observing System)に関する関係機関相互の緊密な連携・協力を確保し、この活動を効果的に推進するためのグループです。関係機関には、一橋大学、国土地理院、海上保安庁、国立極地研究所、宇宙航空研究開発機構、情報通信研究機構、国立天文台、東京大学の8つの機関が含まれます。

現代の測地の方法・対象としては、GPSを含めた全球測位衛星システム(GNSS)や水沢VLBI観測所でも行われている超長基線電波干渉計(VLBI)、衛星レーザー測距(SLR)、電波灯台(DORIS)、重力測定などが挙げられますが、観測対象がさまざまあり、また測定方法も違い、測定結果を所有する研究機関や研究分野が大きく異なります。これらの異なる研究成果や測地に関するデータを包括的に管理し有効活用する世界的なインフラの機能形成を目指したものがGGOSです。日本測地学会において「全球測地観測システム(GGOS)のAffiliateとしての測地学への貢献」が、今回の受賞理由として示されています。

今回の授賞式に参加し、構成機関である国立天文台を代表して表彰状を授与された寺家 孝明 助教は、次のように述べています。
「GGOS Japanのグループが活動を始めて10年経ちました。基準系という国際的なインフラを構築するという事業に継続的な寄与を続けたことを学術的に評価していただき、大変嬉しく思います。これからも世界の資産を作る事業として継続していけること、そしてこのような活動に新しい人材が加わり、新たに発展していくことを期待いたします。」

水沢VLBI観測所 本間 希樹 所長は、今回の受賞に際し、次のように述べています。
「この度のGGOS Japanの測地学会坪井賞(団体賞)の受賞、まことにおめでとうございます。全地球的な測地観測を長年続けていくことは地球物理学研究のみならず社会基盤の整備としても重要です。国内でその活動をつづけてきたGGOS Japanの業績が今回このような形で評価されたことを、参加機関の一員として私もうれしく思います。」



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